2016/05/05

辺境の片隅、存在の証明、そのメモ書き#3

町山智浩さん
think movie storyから。その①※町山智浩さんはブログなどでの引用はOKと公言されてます。念の為。

映画だけどストーリーがない映画がある。
イージーライダーなど。
骨組みがない。エピソードで繋げている。
地獄の黙示録もそう。
エピソードがバラバラ。
カーツ大佐を殺すという目的は変わらない。

漫画→主人公のキャラクターで繋げている。
映画と基本的に構造が違う。

背骨があるもの
映画のストーリーはジェットコースターに似ている。
ジェットコースター的ではない映画もある。エッセイ的な映画。起伏のないもの。映画にはいろんなものがある。

線路がくねくねしたものがある。でもやり過ぎると観客は飽きる。主人公すら変わってしまう映画もある。

骨組みがしっかりしているものがいいとは限らない。

セリフとかはいいけれどストーリーがない映画もある。

シックスセンスについて。
カウンセラーのブルースウィルスのベッドタイムストーリーについて。
『あのね、先生、ストーリーにはツイストというものが必要なんだよ。車がガス欠したってのはどう?』
『先生、自分自身の話をしてよ。先生はなんで悲しそうなの?』
くねくねしてないと面白くない。
人に、話は聞かせられない。エンターテイメントにならない。話を転がす。これが大事。

笠原カズオさんのシナリオ骨法。
物語を形作りする為の要素が書いてある。
「あの夏静かな海」は「稲村ジェーン」が最悪だったので、これが映画なんだよと北野武監督がつくった。
更にそれに対して笠原カズオさんは怒った。
それで書かれたシナリオ骨法。

これに書かれたポイント
1転がり
ロッキーが例。いきなりのチャンピオン戦指名。さあどうする?スターウォーズ。お姫様が囚われている。さあどうする?ジョーズ。いきなりサメが現れた。さあどうする?
転がりがダメな映画。帝都大戦。いきなり派手な戦闘シーンで始めた。いきなりジェットコースターを走らせた。でも誰も乗ってなかった、という感じ。
転がりが遅いのもある。
スターウォーズは転がり出すまで長かった。

箱書きと幕
時間割がある。まずシナリオというのは箱割りから予算を算出する。90分でだいたい箱が9個。
ダイハードのプロデューサーの話。
10分ごとに何かを爆破させろ。

幕がある。
映画というのはだいたい3幕。1幕がだいたい30分。
1幕目→主人公の出会いとか。転がりの為にある。
2幕目→主人公の葛藤とか。
3幕目→クライマックス
1幕に10分の箱が、3つ。10分ごとに驚かす。
スリーアクト方式
スタンリーキューブリックはよく2幕方式でやる。そういうのもある。

2枷とアヤ
枷が必要。
足枷とかのカセ。
主人公に障害物を与える。
乗り越えるべきもの。
乗り越えられそうにない不可能なもの。
頑張れベアーズが例。こいつら本当に勝てるのか?
これが枷。
枷がないものもあるけど、枷がない人生はない。
枷がないなんて大金持ちだけ。
昔はタブーがいっぱいあったんで枷もたくさんあった。
今は少なくなってる時代だからストーリーが緩くなっている。
アヤが大事。
テクスチャ。布の縫い目。
人間同士の関係性。板前さんとおかみさんと元の大将の関係性みたいな。おかみさんが好きだけど、大将に悪いみたいな。観客はジリジリする。

3宝
トランクの奪い合いとか。世界中のスパイが狙っているとか。トランクの、中身は関係ない。
本当の宝とそうでないマクガフィンがある。
ロッキー→チャンピオンベルトがマクガフィン。本当の宝は誇りを取り戻すこと。
目的、ゴールを観客にみせる。
これを設定しない映画もある。
これがはっきりしてなくてもキャラクターで持って行ってしまうものがある。漫画では、逆に面白いキャラクターがあればストーリーはいらない。キャラクター任せ。これをキャラクターが走り出すという。キャラクター主導型のストーリー設定。時間の制約がある映画ではこれが出来ない。
お宝が見つからないと枷が不明確になる。
好きな人が出来ました→宝
見栄えが悪い、金がない。どうしようかな→枷

4敵カタキ
悪人でなくてよい。宝を守っているもの。立ち塞がるもの。敵。敵役は強くなくてはならない。なにが敵役なのかわからないのはダメ。
ゼログラフィティ。あれは真空が敵。
半沢直樹→あれは毎回敵が明確。水戸黄門系。
雑魚キャラからボスキャラまで倒していく。ボスキャラはいい人なのかわからないといい。
つまり、今の体制と繋がりがあり、倒すことが不可能と思われるもの。今の環境そのものみたいな。
吉良上野介とか。体制そのもの。犯罪者でない。
もっとも倒せない、世の中そのもの、みたいな。
お宝を独占しているとか。現状そのものとか。
スターウォーズ→宇宙の王なんて最強。

0 件のコメント: