2016/05/26
辺境の片隅、存在の証明、そのメモ書き#18
『岡崎京子/戦場のガールズ・ライフ』より⑤
「寄書き:『みなさん』の話は禁句/小沢健二」より
1996年生まれで、15才で創設した今やスタッフ80人のメディア企業を率いるメディア王女、タヴィ・ゲヴィンスンは、ティラー・スウィット(アイドル的な人気を持つシンガー・ソングライター)についてこう言っている。「ティラーが高校を卒業したのは何年も前なのに、彼女が今も高校時代のことを歌詞にし続けていることについて、ある記者が質問したの。そしたらティラーはこんな風に返事したの。『じゃあ、何についての歌詞を書けばいいの?マーケティングの会議?』って」
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ここから、小沢健二さんは「ヘルター・スケルター」を通してスターと「みなさん」(ファン)の関係性について語られる。少しだけ紹介すると、「みなさん」の話をすることは禁句・・・これは売春婦が客のおっさんの話をすることがNGということと同意であり、その禁句を描いた「ヘルター・スケルター」。
岡崎京子さんはフリッパーズ・ギターが大好きで、再結成をとても望んでいられた。きっと、今も。
小沢健二さんも、岡崎京子さんの新作を楽しみにされていらっしゃるんだろうな。
僕は、車で移動中によくフリッパーズ・ギターを聴く。退屈な時にハミングするポップミュージックって、とてもとてもいいですよね。特に、女の子にとっては、いつもいつも、そーいうポップスをハミングするような日常が一番いいのかもしれない。岡崎京子さんも、そーいう風にご自身の作品を読んで欲しいと思われてるのだと思う。「音楽みたいなマンガ」とはそういうことだと思う。では、「ヘルター・スケルター」はどうだろう。スターになりたい、アイドルになりたい、キレイでいて世界中から愛されたい・・。そこは退屈な日常ではなく「ひっちゃかめっちゃか(ヘルター・スケルター)」な日々だ。
知ったかぶりな言い方かもしれないけれど、残酷なモンキービジネスだと思う。アイドルとかなんだとかというのは。だからと言って嫌いではないし、どちらかと言えば好きな世界です。もっと言えば、僕が今、賭けに出てやっていることはアイドルを目指す女の子たちと似たようなものだ。
そうだな、もう、既にやられている女性がいるかもしれませんが、たとえ無名のまま、醜い老いた姿になってもキラキラしたオーラだけは失わないで死ぬまでやり遂げる女の子がもしいたら素敵だと思う。「ヘルター・スケルター」の続編が、片目を失くしたりりこの素敵に老いた姿だったら、どれだけの女の子たちが勇気をもらえることだろう。
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